F3A機に取って、動力は、重要な要素で、私もエンジン機の時代は、練習時間の7割以上、
エンジンの調子に気を使って居たと思います。一度飛んでしまえば、安定性の高い電動
ですが、まだまだエンジンには敵わない部分も有り、課題は多く有ります。
十分なパワーは、当たり前ですが、等速性、トルク感、電気消費、温度、重量等、課題は
山済みです。今現在の電池の性能と機体5Kg以下のルールから考え、10セル5000mAh
の電池が妥当で、この電池でF15ルールで、風速10mとなると、電池が持たない状況が
起こります。モーターは高回転の方が効率が良く、、減速を利用して最も効率の高い回転で
使用する事は有利です。効率を考えると、ギヤ減速が良いのですが耐久力に問題が有ります。
ベルト減速は、音や耐久力に優れ、メンテナンス性も高く、優れた方法です。
私とスカイマックスとで、新型モーターユニット
を開発しました。
モーター本体は、ギヤ比を自由に選べ、開発
されて来た、ヘリ用のモーターを使用して、
今標準的なプロペラに効率を合わせ、減速比
を決定しました。
最大パワーを9割程度に押さえ、トルク型に
しています。
製品は組み立て済みで、ユニットにモーターは
取り付いています。
ちなみに、ユニットの製作は50プロダクトです。
製作精度の高い製品に仕上がっています。
製品は組み立て済みですが、部品等の紹介や
組み立てのコツ等を解説します。
ドライブシャフトを支えるプレートはカーボン製で
その前のモーターマウントもカーボン製で、M3の
アンカーナットが刺さっています。
モータープレートは精度と放熱を考え、アルミ製で
黒のアルマイト処理されています。
効率が高く、高性能なタイミングベルトを
使用しています、
モータープーリーの取り付けは、ホーロー
ネジを使用していますが、センター精度を
考え、3方向から締める形状になっています。
リングは、ベルトセンターを決める物です。
モーター本体はハッカーA50−12L V3を
選択しました。
kV値が高い物を使用すると、ベルトへの
負担が高くなります。
このモーターは完成度も高く、信頼性も有り
エネルギー効率も高く、重量も適度なので
選択しました。
小パーツに赤のアルマイト処理をしています。
モーターホルダーと、サブベアリングプレート
です。
サブベアリングでベルトテンションを受ける
構造になっています。
ベルト調整は変芯したプレートを回転させ
丁度良い位置で、ネジをロックする構造に
なっています。
モーターユニットは組み立て済みですが、
組み立て方法を紹介します。
モーターシャフトとベアリングのクリアランスが
大きく、ベルトの微細な振動で、シャフトに対して
ベアリングのインナーレースが回転してシャフト
を削ってしまいます。
その為ネジロック(ロックタイト)で、固定する必要が
有ります。
強力な、はめ合い用では無く、極力弱いネジロック
で、十分です。後々の分解も考えての判断です。
最初に、モーターシャフトのCリングを外し、
スペーサーも外します。
ピン等でネジロックをシャフトに付けます。
極少量で十分です。
ベアリングにネジロックが、入らない様に
注意します。
軽く、1〜2回シャフトを前後させ、ネジロックを
馴染ませます。
大抵のネジロックは、空気が遮断されると
硬化が始まるタイプなので、シャフトを押し込ん
だ方向に、手で押さえたまま、スペーサーと
Cリングを元に戻します。
Cリングが、広がって無いか注意して下さい。
広がって居る時は、ペンチ等で修正するか
取り替えて下さい。
モーターホルダーの変芯している外周寄りの
方を、モーターの配線が出ている側に、
取り付けます。
この位置が、組みあがった時に、配線の出る
位置が良い場所です。
機体の構造上、位置を変えたい場合、90度
ずつ変更する事は可能です。
モーターホルダーの取り付けネジを、軽く締め
90度戻します。
モーターホルダーがネジの遊び分だけ、遊んだ
状態にします。
その状態で、サブベアリングプレートを、はめ込み
ます。
モーターホルダーの、芯出しの為です。
片寄った状態で組むと、モーターベアリングと
サブベアリングに、ストレスが掛かります。
サブベアリングプレートを馴染ませたら、そっと
抜き、取り付けネジを対称に、少しずつ締めます。
最後に完全に締め付けます。
再度、サブベアリングプレートを挿し、すんなり
モーターホルダーに入るか、確認して下さい。
すんなり入らない場合は、ネジを緩め、締め直し
て下さい。この芯出しは重要です。
モータープレートにモーターをはめ、サブベアリング
プレートで挟みます。
サブベアリングプレートのしるしが、右横より下に
成らない様にセットします。
モーターベアリングと同じ要領で、ネジロックを
サブベアリングにも付けます。
締め付けネジを取り付けます。
スペーサーを入れます。
このスペーサーはモータープーリーの位置を
決めるだけの物です。
外して、自分で位置を決めても問題は有りません。
組みあがった後、手でモーターを回せば、ベルトが
メーンプーリーのセンターに、来る様にモーター
プーリーの位置を調整します。
モーターシャフトのDカット面に、モータープーリー
のネジ、1つを合わせて軽く締めます。
残りのネジ2つも平均に締めます。
センターを意識して、徐々に締め付けます。
モータープレートのユニット取り付けネジ4つを、
外します。
この状態で、ベルトを入れます。
ベルトの調整後も、この方法でベルトを取り替え
る事が可能で、ベルト交換で、ベルト調整作業は
要りません。ただし、ベルトの張り確認は、必要
です。
ネジを元に戻し、締め付けます。
サブベアリングプレートの、3つのネジを緩め
ます。
この状態でモーターを回せば、ベルトの調整が
出来ます。
ノギスで2mm〜3mmをセットして、深さゲージ
を利用してベルトの遊び調整をします。
ベルトの直線部分に、ゲージの先を置き、
ベルトの直線部分が平らに見える位置で見ます。
その状態で軽く押し、1mm〜2mm遊びが
有るのを確認します。
押す圧力で変化しますが、この調整はベルトの
張りでは無く、遊びなので、感覚は想像出来ると
思います。
この状態で製品は、出荷します。
機体に取り付ける為の、ネジ等が必要に
なります。
M3X15〜20の皿ネジ4個と、5mm前後の
スペーサー4個。
共振止めのプレートと、それを取り付けるM3ネジ
4個と、ワッシャー、爪付きナット2個が、必要に
なります。
機体に、M4の皿ネジ用の穴が開いている場合
M3皿ネジを取り付ける時、M3平ワッシャーを、
入れて締めると、馴染みます。
ネジからネジの距離は、67mmです。
共振止めプレートは、3mmベニヤで、幅15mm
で十分です。
機体に合わせて、加工して下さい。
カーボンサンドのプレートセットを製作し、販売
する予定です。
プロペラは、メーズリックの21x14のカーボンぺラを想定して設定しました。
ゾアの21X13も、落ち着きや、電池の消費量に優れています。
モーターの重量は665gですが、モーターマウント込みの重量なので、まあまあの軽量です。
減速比は2.72対1です。
アンプの設定のタイミングは20〜24度です。
ブレーキの設定は、スタートブレーキが30%で、エンドブレーキが20%で使用しています。
ブレーキタイムは2秒です。
アクセレーションはベルトの疲労も考え、2.2秒にして下さい。
電池の消費量に優れていて、問題のF15ルールも4500mAhバッテリーで練習しています。
P15ルールを飛ばしての充電量が、2800mAhを切る時も有ります。
パワーは十分有り、トルク型で、等速感が有り、飛ばし易くなります。
音は静か過ぎる程で、環境にも優しいモーターです。